新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応 20年10月版
 
 日本で新型コロナウイルス感染症(以降COVID-19)が蔓延期に入って以来、多数の子どもが集まり接触する行事の開催が心配されています。
 当会では多くの情報を子細に検討し続け、入念な対策を実行することで、3月末の「春の子ども会」、小学校の長期休校対策として4月に緊急実施した「2020春合宿」、そして7~8月の「夏の子ども会」を大過なく開催してきました
 それらの実績をふまえ、「冬の子ども会」では下記の通り対応します。

 

開催への考え方や見通し
 ご承知の通り、人の生活は全てリスクと利益の比較の中で営まれています。ワクチンを大勢に打てば障害や死亡といった事故がわずかでも必ず生じることがわかっていながら、それをはるかに超える利点があるからこそ、被害救済制度を整えたうえで公的予防接種が行われています。
 野外活動でも、常に無事故をめざしていますが、危険を全く回避することはできません。転んですりむいたり、虫に咬まれたり、刃物で指を切ったり、熱い鍋に触れて火傷をしたり、慣れない環境からか体調を崩したり……。それでも、それらのリスクを大きく上回る価値がもたらされてきました。
 感染症を恐れるあまり子どもを閉じ込めておくことが、本来得られていた体験や力をこの8か月間にどれほど奪い、心身を蝕んできたか、私たちはもっと直視すべきではないでしょうか
 幸い、子どものCOVID-19罹患率は特異的に低く、感染児も大半が不顕性(無症状)か軽症で、対応する社会制度や治療法も整ってきました。もちろん万全は尽くしますが、それでももし感染したとしても「参加して良かった」と、全ての子どもたちに思ってもらえるように、プログラムの充実や子ども本位の運営をめざす努力を惜しみません。

 

三密の重なりを避け、科学的に正しく怖がる
 感染症に限らず、会では過剰に怯えず、決して軽視もしない科学的な見方を堅持します
 COVID-19対策専門家会議は当初から、①換気の悪い密閉空間 ②多くの人が密集 ③近距離での会話や発声 の三条件が同時に重なった時に集団感染が起きると警鐘を鳴らしてきました。このうち②・③は会の性格・目的上、期間中に避けては通れない場面があります。そこで、①の換気を十分に行うことを最重要対策として徹底し、③についてもできる範囲で避けることを心がけます。
 当日の行動については、子どもたちの協力が欠かせませんが、こうした時こそ彼らを大いに当てにして、その力を活かす好機と捉えています。例えば、小学1年生でも気づいた子は大きい子に助言できる、まさに会がめざす「仲間の力」が発揮される時です。なお、注意喚起や感染防止運動等を前面に出し過ぎず、あくまでも楽しい雰囲気の中で遊ぶことを重視し、子どもたちをむやみに神経質にさせないように留意します。

 

おもな具体的対策
 
●事前準備・設備関係の施策
□参加各家庭に体調を整えたうえでの参加、あるいは不調時の参加取り止めを要請
□各洗面所等に石鹸・手拭き紙、出入口ほか随所に消毒用アルコールを配備
(消毒スプレー容器・石鹸・手拭き紙・補充アルコールを十二分に確保済、瞬間体温計を拡充)
□手洗い・咳エチケット等啓発ポスターの掲示
□体調不良者が出た際に備えた第二保健室の設置
□リーダーへの「新型コロナウイルス接触確認アプリ」利用促進
□リーダー・スタッフ向け「感染症防止対策対応ガイドライン」の更なる改訂と徹底
 
●会期中・行動の施策
□集合・解散式の簡略化と、往復バス車中での十二分な換気
□リーダー・スタッフを含む朝晩の入念な健康観察・検温と即時の全体動向把握、不調の際の早めの安静
□特に手洗い・咳エチケット等、感染防止基本動作への注意喚起と励行
□室内の十分な換気と空気撹拌(冬でも対角での常時窓開け、換気扇・扇風機の大量使用)
□空気体積を最大限取るために、部屋のドアを常時開放
□施設を広く利用(班活動は広い所で行い、外遊びを増やす)
□遊ぶ時の感染防止工夫(なるべく密着しない種目の選択、無言ゲームの採用他)
□前に立って話す際は、必ず最前列の人と1m以上の間隔を確保し、マスクを着用
□リーダーではないメンテナンススタッフによる、ドアノブ等の繰り返し消毒
□栄養バランスを考えた食事の提供
□食事準備時の全員マスク着用と、取り分けに携わる人の固定化他、配膳への工夫
□子どももリーダーも過度に疲れないよう、十分な休養を積極的に確保
 
●これまでの反省その他から
□健康観察の結果集約が遅れるケースがあり、万一ウイルス保持者がいた場合には、濃厚接触対象者が増える直接的な要因になってしまうため、重要性を周知させ、役割分担を見直し、報告システムを改善する
□屋内では集団に扇風機を当てるため、冬季の寒さを考慮して十分な暖房と厚着促進を心がける
□人はふだんの癖でドアや窓を閉めてしまうため、部分的には閉められないようにあらかじめ固定しておく
□ウイルスが残ることと感染させ得るウイルス量が残ることは異なるため、無益な除菌・消毒は行わない

 

コロナ下での特例措置や運営面の施策
1)一部開催コース(組)の休止を行い、例年より規模を半減して開催します。また、各組に最少催行人員を設定します。[2・3組=40名 B・C・N組=24名 D・T組=12名]
2)病み上がりを含む出発数日前や当日にお子さんが体調を崩した場合は参加をお断りします。そのため、キャンセル規定を、後続の他組に加え、来年の春・夏の子ども会へ振替参加できるように変更します。
3)万が一、感染者が出た際は、保護者・参加者と相談のうえ、状況に応じたできる限りの措置を講じます。
4)以上は20年10月14日現在の情報を元に策定したもので、今後の社会状況によって変化させます。
 
■「COVID-19とのつき合い方」はこちら(会報『くさぶえ』20年12月号掲載)