■AIにはできない仕事の源は「対人力」から
そう遠くない将来、多くの仕事はAIを備えた機械がこなすようになると予想される中、人間でないとできない職への能力が求められるのは当然です。とりわけ重要なのは、相手の心に寄り添う利他的な言動ができたり、自分に不都合なものに向き合い乗り越えたりする力ではないでしょうか。子ども同士の対等な対人体験を重ねることで、そうした力を育みましょう。
■家族キャンプでは得られない自主自律
ファミリーキャンプは価値あるすてきなイベントですが、ともすると親の指示に子が従うだけになり、うまく行かない時には親が手を出しすぎてしまいがち。子どもたちの底力は、やはり“親がいない絶体絶命のピンチ”でこそ発揮されます。家族から離れて不安を感じつつも、自分で階段を一歩ずつ上る味わいを感じ、想定外の事態を克服した喜びをかみしめるのです。
■世界で稀な「自己否定観」に陥らぬように
2018年末に実施された日・韓・米・英・独・仏・スウェーデンの13~29歳の男女各国千名への調査で、「自分に満足しているか」との質問に「そう思う」と答えた人の割合は、アメリカの87%を筆頭に各国は軒並み70%を超えました。しかし、日本だけは45%と際だって低く、言わば自己否定観をもつ人が多数。競争で優っても、本来の自己肯定観は養われません。「自分はこれで良いのだ」という気持ちを培うには、誰かの役に立つ経験を積みたいものです。
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