新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応 21年1月版
 
 新型コロナウイルス感染症(本書では以降「COVID-19」と表記)蔓延が拡大し、多数の子どもが集まり接触する行事の開催が心配されています。当会では多くの情報を子細に検討し続け、入念な対策を実行することで、昨年の「春の子ども会」、突然の小学校長期休校対策として4月に緊急実施した「2020春合宿」、7~8月の「夏の子ども会」、そして12~1月の「冬の子ども会」まで大過なく開催してきました。それらの実績をふまえ、「春の子ども会」では下記の通り対応します。

 

開催への考え方や見通し
 ご承知の通り、人の生活は全てリスクと利益の比較の中で営まれています。ワクチンを大勢に打てば障害や死亡といった事故がわずかでも必ず生じることがわかっていながら、それをはるかに超える利点があるからこそ、被害救済制度を整えたうえで公的予防接種が行われています。
 野外活動でも、常に無事故をめざしていますが、危険を全く回避することはできません。転んですりむいたり、虫に咬まれたり、刃物で指を切ったり、熱い鍋に触れて火傷をしたり、慣れない環境からか体調を崩したり……。それでも、それらのリスクを大きく上回る価値がもたらされてきました。
 感染症を恐れるあまり子どもを閉じ込めておくことが、本来得られていた体験や力をこの11か月間にどれほど奪い、心身を蝕んできたか、私たちはもっと直視すべきではないでしょうか
 幸い、子どものCOVID-19罹患率は特異的に低く、感染児も大半が不顕性(無症状)か軽症で、対応する社会制度や治療法も整ってきました。もちろん万全は尽くしますが、それでももし感染したとしても「参加して良かった」と、全ての子どもたちに思ってもらえるように、プログラムの充実や子ども本位の運営をめざす努力を惜しみません。

 

三密の重なりを避け、科学的に正しく怖がる
 感染症に限らず、会では過剰に怯えず、決して軽視もしない科学的な見方を堅持します
 COVID-19対策専門家会議は当初から、①換気の悪い密閉空間 ②多くの人が密集 ③近距離での会話や発声 の三条件が同時に重なった時に集団感染が起きると警鐘を鳴らしてきましたし、これらは感染急増期でも変わることがありません。このうち②・③は会の性格・目的上、期間中に避けては通れない場面があります。そこで、①の換気を十二分に行うことを最重要対策として徹底し、③についてもできる範囲で避けることを心がけます。
 当日の行動については、子どもたちの協力が欠かせませんが、こうした時こそ彼らを大いに当てにして、その力を活かす好機と捉えています。例えば、小学1年生でも気づいた子は大きい子に助言できる、まさに会がめざす「仲間の力」が発揮される時です。なお、注意喚起や感染防止運動等を前面に出し過ぎず、あくまでも楽しい雰囲気の中で遊ぶことを重視し、子どもたちをむやみに神経質にさせないように留意します。

 

おもな具体的対策
 
●事前準備・設備関係の施策
□参加各家庭に体調を整えたうえでの参加、あるいは不調時の参加取り止めを要請
□各洗面所等に石鹸・手拭き紙、出入口ほか随所に消毒用アルコールを配備
 (石鹸・手拭き紙・消毒アルコール・不織布マスク・瞬間体温計を十二分に確保済)
□手洗い・咳エチケット等啓発ポスターの掲示
□体調不良者が出た際に備えた第二保健室の設置
□屋内通気体積を最大限取るために各室ドアを開放固定し、換気扇スイッチを[入]に固定
□リーダー・スタッフへの「新型コロナウイルス接触確認アプリ」利用促進
□リーダー・スタッフ向け「感染症防止対策対応ガイドライン」の更なる改訂と徹底
 
●会期中・行動の施策
□集合・解散式の簡略化と、往復バス車中での十二分な換気
□リーダー・スタッフを含む朝夕晩の入念な健康観察・検温と即時の全体動向把握
□特に屋内でのマスク着用、手洗い・咳エチケット等、感染防止基本動作への注意喚起と励行
□室内の十分な換気と空気撹拌(気温にかかわらず対角での常時窓開け、換気扇・扇風機の大量使用)
□施設を広く利用(食堂を時差利用する、班活動は広い所で行う、外遊びを増やす)
□遊ぶ時の感染防止工夫(なるべく密着しない種目の選択、無言ゲームの採用ほか)
□前に立って話す際は、必ず最前列の人と1m以上の間隔を確保し、マスクを着用
□リーダーではないメンテナンススタッフによる、ドアノブ等の繰り返し消毒
□食事準備時の静粛・マスク着用の徹底、取り分けに携わる人の固定化ほか、配膳への工夫
□プログラムを時間に余裕が持てるよう変更、十分な睡眠と休養を積極的に確保、不調時の早めの安静などにより、子ども・リーダーの疲れ過ぎを防止
 
●これまでの経験その他から
□食事の際は食べ始めの10分間を「もぐもぐタイム」として発声を控え、食べ終えた子からマスクをして話したり交代でマスク着用者が話したりするように工夫する
□斜めに座っていてもつい対座してしまうのを防止するために、着座位置を示すプレイスシートを用いる
□屋内では集団に扇風機を当てるため、寒さを考慮して十分な暖房と厚着促進を心がける
□屋外から宿舎に戻った際やバス乗車時の検温は、冷えた額や手首でなく、肘の内側などで測る

 

コロナ下での特例措置や運営面の施策
1)一部開催コース(組)の休止を行い、例年より規模を縮小して開催します。
2)病み上がりを含む出発数日前や当日にお子さんが体調を崩した場合は参加をお断りします。その場合のキャンセルについては、後続の他組に加え、「夏の子ども会」へ振替参加できるように取り計らいます。
3)万が一、感染者が出た際は、保護者・参加者と相談のうえ、状況に応じたできる限りの措置を講じます。
4)以上は21年1月14日現在の情報を元に策定したもので、今後の社会状況によって変更することがあります。
 
■「COVID-19とのつき合い方」はこちら(会報『くさぶえ』20年12月号掲載)