新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の市中蔓延から丸2年、第六波の行方が見通せない中、大勢が集まり接触する行事の開催は今後も心配されます。当会では、発生以来多くの情報を子細に検討し続け、実効性のある入念な対策で活動を中止することなく、延べ約5,200名の宿泊行事を開催してきました。

　しかしその間に、昨夏の一つの組で15名、先の｢冬の子ども会｣では三組で計30名近くが陽性となる感染を起こしました。これらの経験を重く受け止め、オミクロンウイルスの特性および流行の渦中であることをふまえたうえで、下記の通り対応します。

■開催への考え方や見通し
　ご承知の通り、人の生活は全てリスクと利益の比較の中で営まれています。ワクチンを大勢に打てば障害や死亡といった事故がわずかでも必ず生じることがわかっていながら、それをはるかに超える利点があるからこそ、被害救済制度を整えたうえで公的予防接種が行われています。
　野外活動でも、常に無事故をめざしていますが、危険を全く回避することはできません。転んですりむいたり、虫に咬まれたり、刃物で指を切ったり、熱い鍋に触れて火傷をしたり、慣れない環境からか体調を崩したり……。それでも、それらのリスクを大きく上回る利益がもたらされ、活動の価値が認められてきました。
　感染症を恐れるあまり子どもたちについ我慢を強い続けてしまい、本来得られていた体験や力をこの2年間にどれほど奪い、心身を蝕んできたか、私たちはもっと直視すべきではないでしょうか。
　第六波の動向や新たに生まれる変異型ウイルスについては予断を許しませんが、激増している感染者は依然として大半が軽症か不顕性(無症状)です。対応する社会体制や治療法もずいぶんと整ってきました。私たちはもちろん万全を尽くしますが、もし感染したとしても「参加して良かった」と、全ての子どもたちに思ってもらえるように、プログラムの充実や子ども本位の運営をめざす努力を惜しみません。

 

■三密、特に気密を避け、科学的に正しく怖がる
　感染症に限らず、会では過剰に怯えず、決して軽視もしない科学的な見方を堅持します。
　COVID-19対策専門家会議は当初から、①換気の悪い密閉空間　②多人数の密集　③近距離会話等の密接　の三条件が重なった時に集団感染が起きやすいと警鐘を鳴らしてきました。変異型では条件が重ならずとも感染が起きた報告はありますが、上記②・③は会の性格･目的上、期間中に避けては通れない場面があります。そこで、①の換気を十二分に行うことを最重要対策として徹底し、②・③についても合理的に可能な範囲で減らすことを心がけます。
　当日の行動については、子どもたちの協力が欠かせませんが、こうした時こそ彼らを大いに当てにして、その力を活かす好機と捉えています。例えば、小学1年生でも気づいた子は大きい子に助言できる、まさに会がめざす「仲間の力」が発揮される時です。なお、注意喚起や感染防止運動等を前面に出し過ぎず、あくまでも楽しい雰囲気の中で遊ぶことを重視し、子どもたちをむやみに神経質にさせないように留意します。

 

 

●施設･設備面　◆外部施設利用時はできるだけ下記に準じた施策
□室内の十二分な換気と空気撹拌（気温にかかわらず要所の常時窓開け、換気扇・扇風機の大量使用）
□各室ドアを開放固定し、換気扇スイッチを［入］に固定
□食堂や浴室の時差利用を徹底し、部屋割などもこれまで以上に余裕をもって利用
□各洗面所等に石鹸・手拭き紙、出入口などに消毒用アルコールを配備
※国立感染症研究所や米国疾病予防管理センターは、接触感染例は限定的であり大半が飛沫による感染との報告をしており、ドアノブ等の消毒や手指消毒の声かけ等は過剰に行わないこととします。
□手洗い・咳エチケット等啓発ポスターの掲示
□体調不良者が出た際に備えた第二保健室の設置

 

●生活面
□特に屋内での不織布マスク着用、手洗い・咳エチケット等、感染防止基本動作への注意喚起と励行
□リーダー・スタッフを含む朝夕晩の入念な健康観察・検温と即時の全体動向把握（外気温や汗の発散に左右されない部位で測定し、微熱兆候がある場合は腋下や舌下で再検温する）
□屋内では常時首振りで扇風機を用いるため、暖房に留意し厚着を促進
□食事準備時の静粛・不織布マスク着用の徹底、取り分けに携わる人の固定化ほか、配膳への工夫
□食事の際は一方を向き、隣席同士や隣の列との距離を1m確保
□食べている間は音楽を流すなどして黙食とし、食べ終えた子から不織布マスクをして待機もしくは退席

 

●行事面その他
□参加各家庭に同居者全員の体調を整えたうえでの参加、あるいは不調時の参加取り止めを予め強く要請
□集散時の送迎人数抑制の要請および集合・解散式の簡略化

□車中食を避けるために集合時刻を変更 　新大阪 18:30　 京都 18:45　 名古屋 19:45　 新宿 19:00

□往路および現地移動バス車中での十分な換気
□レクリエーション選択の工夫（屋内や車中での歌唱を断念、人の距離を大きく開けてできる種目の採用、スキーコースはビデオ講座の導入、出し物大会をサイレント出し物大会に変更、ほか）

□前に立って話す際はマーキングなどで必ず最前列の人と1.5m以上の間隔を確保し、不織布マスクを着用
□プログラムを時間の余裕が持てるように変更、十分な睡眠と休養を積極的に確保、不調時の早めの安静や微熱を軽視しないことなどにより、子ども・リーダーの疲れ過ぎを防止

□帰路電車内は原則として静かに休養

 

1）参加各家庭に電子メールアドレスの登録と、参加者専用ページの閲覧をお願いします。
2）出発7日前以降に、お子さんやお子さんと同居しているどなたかが体調を崩した場合は、参加を固くお断りします。その場合は今後1年間の季節の｢子ども会｣へ振替参加できるように規定を変更します。
3）期間中の微熱等不調者に対しては医療用抗原検査キットを用いて簡易検査を行います。その場合は参加家庭に費用のご負担をお願いすることがあります。
4）もしも感染者が出た際は、保護者・参加者と相談のうえ、状況に応じたできる限りの措置を講じます。

 

以上は’22年1月24日現在の情報を元に策定したもので、今後の社会状況によって更新していきます。