新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応 21年7月版
 
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の市中蔓延が常態化し、大勢が集まり接触する行事の開催が心配され続けています。それでも、当会では多くの情報を子細に検討し続け、入念な実効性のある対策を行うことで、昨年の「春の子ども会」以来、夏・秋・冬、そしてまた春まで、延べ約2,500名の宿泊行事を大過なく開催してきました。「第47回夏の子ども会」ではこの実績をふまえ、改訂を随時重ねてきた対策ガイドラインに則りながら、下記の通り対応します。

 

■開催への考え方や見通し 【7/8追記】下記に示したように東京都が緊急事態宣言下でも予定通り開催します
  ご承知の通り、人の生活は全てリスクと利益の比較の中で営まれています。ワクチンを大勢に打てば障害や死亡といった事故がわずかでも必ず生じることがわかっていながら、それをはるかに超える利点があるからこそ、被害救済制度を整えたうえで、公的予防接種が行われています。
 野外活動でも、常に無事故をめざしていますが、危険を全く回避することはできません。転んですりむいたり、虫に咬まれたり、刃物で指を切ったり、熱い鍋に触れて火傷をしたり、慣れない環境からか体調を崩したり……。それでも、それらのリスクを大きく上回る利益がもたらされ、活動の価値が認められてきました。
 感染症を恐れるあまり子どもを閉じ込めておくことで、本来得られていた体験や力をこの1年半の間にどれほど奪い、心身をひどく蝕んできたかという問題の大きさを、私たちは看過できないと考えています
 変異ウイルスについては予断を許しませんが、日本小児科学会によれば、十代以下の感染は既存型と同様に大半が不顕性(無症状)か軽症であり、重症化する可能性を示す証拠は得られていません。対応する社会体制や治療法も整ってきました。私たちはもちろん万全を尽くしますが、もし感染したとしても「参加して良かった」と、全ての子どもたちに思ってもらえるように、プログラムの充実や子ども本位の運営をめざす努力を惜しみません。

 

三密、特に気密を避け、科学的に正しく怖がる
 感染症に限らず、会では過剰に怯えず、決して軽視もしない科学的な見方を堅持します
 COVID-19対策専門家会議は当初から、①換気の悪い密閉空間 ②多くの人が密集 ③近距離での会話や発声 の三条件が同時に重なった時に集団感染が起きると警鐘を鳴らしてきました。変異ウイルスは条件が重ならずとも感染は起き得るという報告がありますが、上記②・③は会の性格・目的上、期間中に避けては通れない場面があります。そこで、①の換気を十二分に行うことを最重要対策として徹底し、②・③についてもできる範囲で減らすことを心がけます。
 当日の行動については、子どもたちの協力が欠かせませんが、こうした時こそ彼らを大いに当てにして、その力を活かす好機と捉えています。例えば、小学1年生でも気づいた子は大きい子に助言できる、まさに会がめざす「仲間の力」が発揮される時です。なお、注意喚起や感染防止運動等を前面に出し過ぎず、あくまでも楽しい雰囲気の中で遊ぶことを重視し、子どもたちをむやみに神経質にさせないように留意します。

 

おもな具体策
 
●施設・設備面
□室内の十分な換気と空気撹拌(気温にかかわらず対角での常時窓開け、換気扇・扇風機の大量使用)
□各室ドアを開放固定し、換気扇スイッチを[入]に固定
□施設を広く利用(食堂を時差利用する、班活動は広い所で行う、外遊びを増やす)
□各洗面所等に石鹸・手拭き紙、出入口などに消毒用アルコールを配備
 ※国立感染症研究所や米国疾病予防管理センターは、接触感染例は限定的で大半が飛沫や飛沫核による感染との報告を公表しており、今後、ドアノブ等の消毒や手指消毒の声かけ等を過剰には行わない。
□手洗い・咳エチケット等啓発ポスターの掲示
□体調不良者が出た際に備えた第二保健室の設置
 
●生活面
□特に屋内でのマスク着用(不織布マスクを強く推奨)、手洗い・咳エチケット等、感染防止基本動作への注意喚起と励行
□リーダー・スタッフを含む朝夕晩の入念な健康観察・検温と即時の全体動向把握(屋外から宿舎に戻った際は体温が外気温や激しい活動に左右されないように、時間を置き安静状態で測る)
□屋内では常時首振りで扇風機を用いるため、特に朝晩などは冷え過ぎないように配慮
□食事準備時の静粛・マスク着用の徹底、取り分けに携わる人の固定化ほか、配膳への工夫
□食事の際は斜めに座ってもつい対座してしまうのを防ぐために、着座位置を示すプレイスシートを使用
□「黙もぐタイム」は、食べ始めの10分間から「食べ終えるまで」に変更して発声を控え、交代でマスク着用者が話したり、食べ終えた子からマスクをして話したりするように工夫
 
●行事面その他
□リーダー・スタッフへの「新型コロナウイルス接触確認アプリ」の事前利用促進
□参加各家庭に体調を整えたうえでの参加、あるいは不調時の参加取り止めを要請
□集合・解散式の簡略化と、往復バス車中での十二分な換気
□遊ぶ時の感染防止工夫(なるべく密着しない種目の選択、無言ゲームの採用ほか)
□前に立って話す際は、マーキングなどで必ず最前列の人と1.5m以上の間隔を確保し、マスクを着用
□マイク使用時はフェイスシールドとマウスシールドの併用でマスクの代用可
□特に日中の屋外では、熱中症等の防止を優先して原則的にマスク不着用(無・微風時、気温、密集状況により着用)
□プログラムを時間の余裕が持てるように変更、十分な睡眠と休養を積極的に確保、不調時の早めの安静などにより、子ども・リーダーの疲れ過ぎを防止
□リーダー・スタッフ向け「感染症防止対策対応ガイドライン」の更なる改訂と徹底

 

特例措置や運営面の施策
1)開催する一部組の定員を減らし、例年より全体規模を縮小して開催します。
2)病み上がりを含む出発数日前や当日にお子さんが体調を崩した場合は参加をお断りします。その場合のキャンセルについては、後続の他組に加え、「冬の子ども会」へ振替参加できるように取り計らいます。
3)万が一、感染者が出た際は、保護者・参加者と相談のうえ、状況に応じた措置を講じます。
4)以上は21年7月8日現在の情報を元に策定したもので、今後の社会状況によって変更することがあります。

■参考 これまでの対応等