東日本大震災に際しまして
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11/03/15 アルプス子ども会 代表 綾崎幸生

 平素は当会の活動にご賛同、ご支援をくださいまして、誠にありがとうございます。
 まずは、このたび被災された皆様、災禍により厳しい生活を余儀なくされている皆様へ、衷心よりお見舞い申し上げます。また、その影響を受け、生活に混乱が生じている大勢の方の困難を拝察いたします。
 続いて、私どもアルプス子ども会の施設においては被害が一切無く、安全が確認されていること、よって予定通り「春の子ども会」を開催いたしますことをご報告申し上げます。
 これまで37年にわたる会運営の間には、いろいろな事象がありました。集中豪雨による高速道の遮断、日航ジャンボ機墜落、阪神淡路大震災、病原性大腸菌O157、台風の直撃、ノロウィルスやインフルエンザの流行など、思い起こせば、ただでさえお子さんを手放すご家族の不安を深める出来事の連続だったのかも知れません。
 それでも、そのたびに知恵を絞り、保護者のご意見を採り入れ、問題に真摯に向き合うことで、私どもは長く安定した運営を行うことができたものと自負しています。そして、いつ、どこにいても起こりうる自然災害への備えとして、スタッフ・リーダーへの防災研修を重ね、物品の整備を進めてまいりました。今回の事態からも、これまで以上に安全な子ども会を築くために多くのことを学び、活かしていく所存です。
 さて、戦後日本で最も深刻な危機と言われるこの状況下、私たち直接の被害を受けていない者がすべきことは何でしょうか。それは取りも直さず、できる限り元気に普通の生活を営むことに他ならないと私は考えます。各々がしっかりと自己実現を果たしていくことこそが、夥しい数と伝えられる、生きたかったのに生きられなかった人々に対しての、生き残った者の責務ではないでしょうか。
 不安を煽るような報道が続く中、心配が増大する親御さんのお気持ちは重く受け止めているつもりですが、こういう時にこそ、冷静さが求められます。親として動じずに、お子さんに楽しみをお与えください。それぞれが大人である自覚を持ち、浮き足立たずに、人が生きる意味や価値をお子さんに伝える絶好の機会だと捉えてみてはいかがでしょうか。
 幸い、長野県は中部電力の管轄で、計画停電は一切ありません。地元には安定した物流があり、市民は落ち着いた普通の生活を送っていますので、ご安心ください。
 もしも、多くの方が予定されていた活動を取り止めれば、それだけ消費や雇用は落ち、結局、被災地を支えねばならない日本の力が弱ることになります。
 私事ではございますが、当会経営責任者の甥(仙台在住)も社屋が流され、彼の同僚らが行方不明になっています。またこれまで、アルプス子ども会には東北・関東の太平洋岸地域からも大勢参加しています。流通・インフラの見通しが立ちましたら、会としても直接何の支援ができるかを考え、実行したいと思っています。
 こうした時にこそ、過去最高に楽しい子ども会を創り上げようと、スタッフ・リーダー一同決意を新たにしています。開催中に想定外のことが起きたとしても、無論、これまでお子さんの命を預かってきた立場と何ら変わりなく、責任を全うするのみです。
 どうか、私どもに一層のご信頼をお寄せくださいますよう、お願い申し上げます。

●追記 「春の子ども会」につきまして
1)今後の交通の復旧状況によりますが、集合や解散に困難が予想される場合には、東京事務局Tel.042-463-2312へご相談くだされば幸いです。
2)開催当日の交通遮断により集散不能の方、肉親にご不幸があった方、およびご自宅に損壊のあった方への参加取消料は特別に扱いますので、お申し付けください。
3)お子さんが参加に不安を感じているようでしたら、その緩和、解消のためにリーダーらが事前に直接お子さんと電話でお話しいたします。ご希望の方は上記東京事務局へどうぞ。